介護保険で車いすはレンタルできる?流れとメリットをやさしく解説
- ケア・システム
- 7月2日
- 読了時間: 13分
更新日:7月3日
▶︎1. 介護保険で車いすはレンタルできる?利用前に確認したいポイント
介護保険を使えば、車いすを自己負担1割でレンタルできる仕組みがあります。
とはいえ、「どんな人が対象?」「どこまで保険が使えるの?」といった疑問を持つ方も多いはず。
ここでは、車いすのレンタルに介護保険が適用される条件と、利用する際の基本知識について解説します。
1.1 介護保険の対象条件とレンタル可能な車いすの種類
介護保険を使って車いすをレンタルするには、まず要介護認定を受ける必要があります。
さらに、車いすのレンタルが認められるのは「要介護2以上」と判定された方が中心です。
ただし、「要支援1・2」「要介護1」の方でも、必要性が認められれば例外的にレンタルできることもあります。これにはケアマネジャーの判断と、福祉用具専門相談員の意見が関わってきます。
レンタルできる車いすの種類は、主に次の3タイプです。
自走式車いす(利用者自身が操作)
介助式車いす(介助者が操作)
電動車いす(一部対象外あり・特定条件あり)
このように、対象者と利用目的によって選べる車いすのタイプも異なります。
「要介護度」「使用目的」「環境」の3つの要素が車いすのレンタル可否を左右する大事なポイントです。
1.2 レンタルと購入、どちらがお得?月額目安で比較
車いすを手に入れる方法には「購入」と「レンタル」の2パターンがありますが、多くの方にとってレンタルの方が経済的で柔軟です。
以下に、レンタルと購入の違いをまとめてみました。
たとえば、「リハビリで一時的に使いたい」「体の状態が変わりそう」などの場合は、レンタルの方が負担が少なく、柔軟に対応できます。
また、介護保険を利用した場合、初期費用がかからず、月額費用のみで利用できる点も魅力です。
▶︎2. 介護保険を使った車いすレンタルの基本の流れ
介護保険を使って車いすをレンタルするには、いくつかのステップがあります。
「何から始めればいいの?」「どのくらい時間がかかるの?」と不安になることもありますよね。
ここでは、全体の流れと手続きにかかる期間、そして自費利用との違いをわかりやすく解説します。
2.1 レンタルまでの全体ステップを簡単に把握しよう
介護保険で車いすをレンタルする流れは、以下のように進みます。
要介護認定の申請(市区町村に申し込み)
認定調査・主治医の意見書提出
介護度の判定(要支援・要介護)
ケアマネジャーによるケアプラン作成
福祉用具貸与事業者との契約
車いすの納品・使い方の説明
利用スタート(定期点検あり)
この7ステップを踏めば、介護保険を使って車いすを安全・安心にレンタルできます。
「思ったより多いな」と感じるかもしれませんが、それぞれのステップには専門職のサポートが入るので、心配はいりません。
2.2 各ステップにかかる期間と手続きの概要
次に、各ステップにかかる時間の目安を見てみましょう。
要介護認定には約1か月かかるため、早めの申請がとても大事です。
また、申請中でも「暫定利用」として先にレンタルする方法もあります。その場合は、認定後にさかのぼって保険が適用されることもあります。
書類提出や調整などの手間はありますが、ケアマネジャーや事業者がサポートしてくれるので、1人で進める必要はありません。
2.3 自費利用との違いと介護保険を活用するメリット
「保険を使わずに借りる方が早いんじゃない?」と思う方もいるかもしれません。
たしかに自費レンタルは手続きが簡単で即日対応も可能ですが、費用が大きな差になります。
自費だと毎月5,000円前後かかるケースが多く、半年使えば数万円の差に。
だからこそ、少し手間でも介護保険を使った方が長期的には負担が少ないんです。
介護保険でのレンタルにはステップがありますが、制度を活用すれば費用を抑えつつ、必要なサポートも受けられるのが大きなメリットです。
▶︎3. 車いすレンタルの手順と介護保険で必要な手続き
ここでは、実際に介護保険を使って車いすをレンタルする際の詳しい流れを見ていきましょう。
ステップごとに必要な手続きや注意点を押さえることで、スムーズに準備が進められます。
3.1 「要介護認定」を受ける(自治体申請から認定まで)
最初のステップは、お住まいの市区町村に「要介護認定」の申請を出すことです。
申請から認定までの流れは次のとおりです。
市区町村の窓口で申請書を提出
認定調査員による自宅訪問(本人の状態を確認)
主治医による意見書の提出
介護認定審査会による判定
結果通知(要支援1〜要介護5、もしくは非該当)
申請から通知までは約1か月かかることが一般的です。
早めの申請が、車いすレンタル開始の第一歩になります。
3.2 「ケアプラン作成」と福祉用具貸与計画の立案
要介護認定を受けたら、次はケアマネジャーと一緒に「ケアプラン(介護サービス計画)」を作成します。
この中に「車いすのレンタル」が必要と判断されれば、「福祉用具貸与」としてプランに組み込まれます。
ポイントは以下の通りです。
ケアマネが利用者の生活状況や身体状態を確認
車いすの必要性や種類を判断
利用者・家族と相談しながら計画を作成
ケアプランが確定すれば、次は具体的な事業者とのやりとりへ進みます。
3.3 事業者選定と相談・用具選びのポイント
ケアプランに基づき、福祉用具貸与事業者(車いすレンタル会社)と契約を行います。
選ぶ際のポイントは以下のとおり。
介護保険の指定を受けた事業者であること
メンテナンスやサポート体制が整っていること
利用者の身体状態に合った車いすを提案してくれること
このタイミングで、実際にいくつかの車いすを試して選ぶことも可能です。
「試し乗り」の時間をしっかりとることで、失敗を防げます。
3.4 契約・納品・事前調整の流れ
事業者が決まれば、正式に契約を交わします。
契約内容には以下が含まれます。
月額料金(1割負担の場合は数百円程度)
サービス内容(納品、点検、交換の対応など)
利用期間や解約条件
契約が完了すれば、車いすの納品が行われます。スタッフが座り方や使い方を丁寧に説明してくれるため、安心してスタートできます。
3.5 利用開始後の定期チェック・メンテナンス
車いすのレンタルは「借りっぱなし」ではなく、事業者による定期点検や調整サービスが含まれています。
たとえば、
車輪の動きやブレーキの確認
座面や背もたれの状態確認
必要に応じた車種変更の提案
こうした点検は1〜2か月ごとに行われることが多く、利用者の状態に合わせて柔軟な対応が受けられます。
万が一の故障も、すぐに交換や修理対応が入るので安心です。
3.6 返却・変更・終了の手続き
状態の変化や環境の変化により、車いすの返却や種類の変更が必要になることもあります。
その際は、以下のような流れになります。
ケアマネジャーに相談
事業者と連絡・調整
引き取りや交換のスケジュール調整
契約内容の変更または終了手続き
使わなくなったら返却し、必要に応じて他の福祉用具への切り替えも可能です。
介護保険の制度内で柔軟に対応できるのが、レンタルの大きな魅力です。
▶︎4. 介護保険を使った車いすレンタルでよくある失敗とその対策
介護保険を使った車いすレンタルは便利ですが、手続きを間違えたり、情報不足だったりすると意外な落とし穴にハマることも。
ここでは、よくある失敗例とその対策を3つ紹介します。事前に知っておくだけで、トラブルを防げます。
4.1 レンタル枠オーバーになるケースと対策
介護保険でレンタルできる福祉用具には「支給限度基準額」という上限があります。
これを知らずに複数の用具を借りてしまうと、限度を超えた分は全額自己負担になることがあります。
よくある失敗のパターン:
車いすに加えて、介護ベッドや歩行器もレンタルしてしまい、上限超え
家族が個別に複数の事業者に依頼してしまう
対策としては、
ケアマネジャーに必ず事前相談すること
同時に複数の用具を検討する際は、費用のシミュレーションを行うこと
1か月あたりの上限額(例:要介護2で19,616円)を把握しておくことが、無駄な出費を防ぐ第一歩です。
4.2 身体に合わない車いす選定で起きやすいトラブル
車いすは見た目が似ていても、座面の高さや幅、重量などが微妙に違います。
この選定を間違えると、姿勢の崩れ・疲れやすさ・安全性の低下などにつながります。
よくあるトラブル
膝が浮いてしまい足が不安定
腰が痛くなるほど姿勢が合っていない
重すぎて持ち運びが大変、外出をあきらめる
対策としては、
事前に試乗すること(複数モデルを比較)
使用者の身体寸法をきちんと測る
利用シーン(室内のみか、外出も多いか)を事業者に伝える
事業者によっては、専門の相談員が細かく調整してくれるところもあるので、遠慮せず相談しましょう。
4.3 保険1割負担と思いきや、別費用が発生する場合
介護保険の適用で1割負担になると聞くと、「月300円〜800円程度で済む」と思いがちですが、思わぬ費用が加算されるケースもあります。
代表的な例:
契約外のパーツ(クッションや背もたれの追加)に追加料金
遠方への納品・引き取りで出張費が発生
保険対象外の高機能車いすを選んでしまった
こういったケースでは、確認不足が原因になることが多いです。
対策としては、
契約前に見積もりを細かく確認する
保険対象かどうか不明な用具は、必ずケアマネや事業者に相談する
1割負担=すべて安い、とは限らないという認識を持っておくと安心です。
ちょっとしたミスが思わぬ出費や不便につながることもあります。
事前確認・相談・試用の3つを意識することで、失敗を防ぎましょう。
▶︎5. 介護保険制度の課題を支える「創つくる・はじめ」とは
介護保険を活用した車いすレンタルは便利な制度ですが、制度そのものには課題もあります。
そうした中で、地域と連携して新たな福祉用具の供給体制を築こうとするのが「創つくる・はじめ」という取り組みです。
ここでは、その背景と仕組み、地域資源としての可能性について解説します。
5.1 介護保険制度の限界と福祉用具供給の課題
介護保険制度は、全国どこでも一定のサービスが受けられる反面、次のような課題も指摘されています。
必要な車いすが地域に在庫として存在しない
状態の良い用具でも使われないまま廃棄される
誰が用具を保管・整備するか明確でない地域がある
つまり、「制度に従ってサービスは受けられるけれど、地域の実情に合っていない供給体制」というギャップが生じやすいのです。
こうした課題を補うには、制度だけでなく地域資源の再編や活用が求められています。
5.2 地域社会と連携した「創つくる・はじめ」の仕組み
「創つくる・はじめ」は、そんな課題を解決するために生まれた福祉用具供給の新たな仕組みです。
主な特徴はこちらです。
地域で使われなくなった福祉用具(車いすなど)を回収
弊社が主導し、専任スタッフによる修理・整備・再生を実施
地域ごとに必要な用具を「地域ストック」として確保
地域内で完結する流通により、移動距離や納品コストも削減
株式会社ケア・システムが中心となり、地域・地域住民との協力体制で運用しているのが大きな特徴です。
つまり、「今あるものを活かし、地域で回す」ことで、持続可能な福祉用具供給体制をつくっているのです。
5.3 再利用・再整備による地域資源の有効活用
「創つくる・はじめ」では、単なるリユースではなく、専任のスタッフが確かな技術で整備・安全確認を行っています。
これにより、次のようなメリットがあります。
状態の良い福祉用具が再び現場で活躍
不要な廃棄物の削減につながる
地域で必要なときにすぐ活用できる備えとなる
運搬距離の短縮でコストと時間の両方を削減
たとえば、同じ車いすでも地域によって使われ方が違うことがあります。
「創つくる・はじめ」ではそうした地域ごとのニーズに合わせてストックを構成しているのも特徴です。
介護保険制度を有効に活かしながら、地域独自の課題にも対応できる柔軟な仕組みとして注目されています。
▶︎6. まとめ
介護保険を活用した車いすレンタルは、コストを抑えながら必要なサポートを受けられる便利な制度です。ただし、制度をうまく活用するには、流れや注意点をしっかり理解しておくことが大切です。
ここでは、記事のポイントをおさらいしつつ、安心して利用を始めるためのヒント、そして信頼できるサービス提供事業者をご紹介します。
6.1 車いすレンタルの流れと注意点をもう一度チェック
介護保険での車いすレンタルは、以下のような流れで進みます。
要介護認定の申請
ケアプランの作成
車いすの選定と契約
納品・使用開始
利用中の点検とサポート
状況に応じた返却や変更
よくある失敗としては、「支給限度額のオーバー」「身体に合わない車いすの選定」「思わぬ自己負担」があります。
ケアマネジャーや事業者とこまめに相談し、確認を怠らないことがトラブル防止のカギです。
6.2 初めてでも安心して利用するためのヒント
車いすのレンタルが初めての方には、以下のポイントを意識することで不安を軽減できます。
わからないことは遠慮なく質問する
必ず試乗してから決める
利用開始後も調整・相談ができる事業者を選ぶ
さらに、身体の状態や生活スタイルに合った用具を使うことで、日常の負担がぐっと軽くなります。
たとえば「自走式と介助式の違い」や「座面の高さの違い」だけでも使い心地に大きな差が出るため、専門的なアドバイスをもらえる環境はとても重要です。
6.3 福祉用具レンタルならケア・システムにおまかせ
福祉用具のレンタルを検討されているなら、福井県坂井市に本社を構える「株式会社ケア・システム」がおすすめです。
ケア・システムの特徴
福祉用具の企画・開発・製造・販売・レンタルまで一貫対応
オリジナル製品やカスタマイズ用品も多数取り扱い
自社スタッフによる丁寧なメンテナンス体制
福祉用具新供給システム「創つくる・はじめ」の運営で地域に根差した供給体制を実現
また、坂井市を中心に地域に密着した活動を展開しており、介護保険に頼らない新しい仕組みづくりにも積極的です。
お問い合わせは、電話(0120-960-422)または公式サイトのメールフォームから可能です。 【営業時間】月~土曜 8:30~17:30/メールフォームは24時間受付中。
福祉用具のことなら「ない物は創る」精神で支えるケア・システムに、ぜひご相談ください。
▶︎地域で支える福祉用具の未来を、ケア・システムとともに
介護保険制度の枠組みに加え、地域資源を活用した福祉用具の新しい流通モデル「創つくる・はじめ」は、ケア・システムが主導する独自の取り組みです。
不要になった用具を地域で集め、専任スタッフの手で再生・整備。地域特性に合ったストックとして循環させるこの仕組みは、持続可能な福祉の在り方を具体化しています。
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